• About
  • リンク

アーカイブズ工房 

~ Archives Studio 記録を活かす

アーカイブズ工房 

カテゴリーアーカイブ: SAA

第76回デジタルアーカイブサロン「アーカイブズにおける秘密保護と公開の問題について:カトリック系宗教アーカイブズを中心に」(配布資料改訂版)

14 日曜日 5月 2017

Posted by archivesstudio in ICA, SAA, Uncategorized

≈ コメントする

タグ

アクセス, アーカイブズ, カトリック, 秘密情報, 公開, 宗教アーカイブズ, 教会法

5月12日に開催された第76回デジタルアーカイブサロン「アーカイブズにおける秘密保護と公開の問題について」のうち、私が担当した部分「カトリック系宗教アーカイブズを中心に」に関する配布資料の改定版を作成しました。

配布資料「カトリック系宗教アーカイブズを中心に」改訂版
https://archiveskoubou.files.wordpress.com/2017/05/catholic-archives-institutions-in-new-orleans2.pdf

今回の発表は創価大学創価教育研究所坂口貴弘講師の科研費の助成を受けた研究「近現代アーカイブズにおける秘密情報保護と公開促進の両立に向けた研究」成果の一部です。

JSPS科研費 JP15K00467  https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15K00467/

立教大学共生社会研究センターアーキビストの平野泉さんとともに、坂口さんの米国のアーカイブズ機関に関する調査に協力しました。

当日の配布資料の一部訂正(年号と人名)、紹介された文献に2件追加を行いました。見やすさを考えてレイアウトも若干変更しました。

配布資料「カトリック系宗教アーカイブズを中心に」改訂版

第76回デジタルアーカイブサロンのフェイスブックページ
https://www.facebook.com/events/1944392125837385/

オリバー・W・ホームズ「企業文書の評価と保存」(1938)

25 火曜日 2月 2014

Posted by archivesstudio in SAA

≈ コメントする

タグ

AA, American Archivist, SAA

88x31
This work is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.

Title: The Evaluation and Preservation of Business Archives
Category: Research Article
Journal: American Archivist
Issue: Volume 1, Number 4 / October 1938
Author: Oliver W. Holmes
http://archivists.metapress.com/content/p2x3r56677tj4423/fulltext.pdf

著者のオリバー・W・ホームズはミネソタ州出身。1922年Carleton College卒業、1956年コロンビア大学にて博士号取得。1935年の設立時にNARAに採用される。SAAの設立メンバー。1958年SAAフェロー、1958-59年SAA会長。1972年NARA退職。

この論文では次のようなことを述べています。

歴史家は記録の評価選別に反対するが、記録が非現用となり次第直ちに後世に残すべきものを選別するのは、経済の観点からも記録の原秩序保存の観点からも必要なことである。放置されることによって散逸したり、もともとの秩序が失われた場合、これを復元するには多くのコストがかかる。

人々の暮らしにとってワシントンとウォールストリートは二つの権力の中心地である。民主主義国アメリカにおいては政治に関する記録は広く国民にもたらされるべきであるという考えから印刷されて普及が図られる。しかしビジネスは異なる。ビジネスにおいては記録は関係者のみにとどめ置かれるのがふつうである。その記録も刊行物ではなく、手稿記録であろう。

しかし投資家、従業員、消費者にとって、さまざまな意思決定を行うにあたって企業の記録は欠かせない。

大企業における記録のリテンションと廃棄スケジュールについて特別注意を払う必要がある。いったんスケジュールが出来上がると機械的に記録の廃棄が行われる。州際通商委員会(Interstate Commerce Commission)では蒸気鉄道、電気鉄道、運送会社、水運会社、パイプライン会社、寝台列車会社、電報・電話・電信会社のために古い記録の廃棄規則を公にした。全国電灯協会は1923年に電力会社のために推奨される廃棄コードを発表、全国火災保護協会は「記録の保護」Protection of Records (1935) という貴重なパンフレットを発行している。

不要な記録は企業にとっても歴史家にとっても大体は同じであるが、必ずしも見解が一致しない場合もある。例えば、企業は歴史家よりも通信関係のファイルや経営上の覚書を廃棄するのに躊躇しないけれども、会計記録に関しては非常によく保存している。後者は歴史家にとっては必ずしも必要とは思えない場合もある。 企業に記録保存の大切さを説くために、経営史協会は企業向けに1937年10月、The Preservation of Business Recordsというパンフレットを発行した。

企業は成功するとばかりは限らない。失敗した企業の記録の保存の問題もある。また中小企業の記録の保存は大企業のようにはいかない。こういった企業の記録の整理を経済学や経営学専攻の大学院生にまかせるというアイデアも、ハーバード大学の経営史協会コレクションづくりのひとつの要因である。地域や産業といった単位で共同保存を行ったり、政府への納税者に関する記録という観点から連邦政府の保存機関に記録を委ねるという考え方もあろう。

いずれの場合も、評価選別を賢く行う(intelligent selection)ことが重要である。

いっぽう、SAAはイギリスのCPBA(Council for the Preservation of Business Archives, BACの旧名称、1934年設立)のような役割を果たすことを考えてもよいだろう。CPBAでは記録保存の相談にのったり、保存に適切な外部機関を紹介するといった活動を行っている。CPBAの報告には「企業記録に関する情報は待っていても得られない、カウンシル側が熱心に勤勉に情報収集にあたる必要がある。企業の記録の所有者からの自発的な申し出というのはめったにない」とあり、まさにその通りである。

この論文では企業記録の評価基準に具体的に踏み込むというよりは、保存の意義と企業記録をとりまく状況、保存に向けた考え方が述べられています。が、保存にあたって評価選別が絶対に必要である、という点は最初から最後まで一貫しています。

参考になるデータとして次のようなものが含まれていました。

  • 1870年以降業務の単位が拡大する。
  • 1890年以前は企業記録はすべて製本されて保存され、索引が別に作成されてこれも製本された。
  • 1890年以降、カード索引が用いられるようになった。
  • 1900年以降、記録自体がカード化されるようになった。
  • 1897年ころからカーボンコピーと縦型キャビネットが利用されるようになった。その数年後ルーズリーフバインダーが登場した。

大企業におけるファイリング担当者を file specialists who are the practical archivists of the business world と記述している部分があり、ファイリング担当者が実質的にはアーキビストの役割を果たしているという認識を確認することができます。

[参考]
Title: Oliver W. Holmes
Category: In Memoriam
Journal: American Archivist
Issue: Volume 45, Number 2 / Spring 1982
Author: Walter Rundell, Jr.
http://archivists.metapress.com/content/y54424166452k812/fulltext.pdf

dandelion

2018年4月
日 月 火 水 木 金 土
« 3月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

アーカイブ

最近の投稿

  • 齋藤歩「日本における『近現代建築資料』の特性把握:統計的仮説検定とアーカイブズ学を用いて」(2018年)
  • 神山復生病院 復生記念館
  • 「近現代アーカイブズにおける秘密情報保護と公開促進の両立に向けた研究」ニューオーリンズでのインタビューまとめ
  • 第76回デジタルアーカイブサロン「アーカイブズにおける秘密保護と公開の問題について:カトリック系宗教アーカイブズを中心に」(配布資料改訂版)
  • 大仙市アーカイブズ開館記念行事(2017.5.3) 参加記
  • 一橋大学に大学文書館(アーカイブズ)を
  • 『レコード・マネジメント・ハンドブック : 記録管理・アーカイブズ管理のための』紹介・書評
  • 経営支援セミナーに参加
  • 『ライブラリー・リソース・ガイド』第18号
  • 森本祥子「定例会報告 レコード・アーカイブズ一貫システム構築の視点」(2017年)

最近のコメント

「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… への archivesstudio
「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… への amano_kaeru
「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… への archivesstudio
「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… への archivesstudio
「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… への amano_kaeru
PDF公開 富田三紗子「博物館が所蔵する文献資料の整理におけ… への 小林年春
富田三紗子「博物館が所蔵する文献資料の整理におけるISAD(… への 富田三紗子
富田三紗子「博物館が所蔵する文献資料の整理におけるISAD(… への archivesstudio
富田三紗子「博物館が所蔵する文献資料の整理におけるISAD(… への 富田三紗子
芳賀町総合情報館特別展「わが町学校のあゆみ─小学校編─」 への archivesstudio

タグ

AA American Archivist archives Archon ARMA BAA BAC bank banking Bank of Japan business archives CSR EABH ECM ENC ESG evidence HSBC ICA ISDIAH ISO 26000 JSAS London NARA NDL NPO知的資源イニシアティブ NRA proof SAA spp TNA 『アーカイブズ学研究』 アーカイブ アーカイブズ アーキビスト シリーズ シリーズシステム シリーズ・システム デジタルアーカイブ デジタル・アーカイブズ ビジネスアーカイブズ フォンド 企業史料協議会 会社史 公文書 公文書管理 公文書管理法 勉誠出版 国会 国会図書館 国立公文書館 国立国会図書館 宇都宮 情報公開 政党 日本経営史研究所 日本銀行 日銀 東北 東日本大震災 構造 盛岡 目録 社史 立法 統合報告 編成 記述 記述標準 証拠 議会 遠野 銀行 階層構造 非財務情報

Blogroll

  • Learn WordPress.com
  • WordPress.com News
  • Get Support
  • Discuss
  • Get Inspired
  • Get Polling
  • Theme Showcase
  • WordPress Planet

最近のコメント

「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… への archivesstudio
「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… への amano_kaeru
「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… への archivesstudio
「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… への archivesstudio
「なぜアーカイブズは必要なのか―文書保存の意義と実態」講演会… への amano_kaeru

WordPress.com Blog.

キャンセル