平野泉「ダッチ・マニュアル120年」(FB連載へのリンク)

立教大学共生社会研究センターのアーキビスト兼学習院大学大学院科目「アーカイブズ学理論研究3:海外文献講読」(*)講師の平野泉さんがアーカイブズの編成・記述に関する古典的文献Dutch Manual(1898年,**)の日本語訳と注釈の解説をほぼ毎日フェイスブックのNotesにアップロードしておられます。わたしは2004年の国文学研究資料館主催アーカイブズ・カレッジ長期コースで、はじめてこの文献について教えられました。しかし、自分で原文(英訳版なら読めるのに…)にあたることのないまま2018年に至ってしまいました。今年のゴールデン・ウィーク明け以降、平野さんによる本文の訳と注釈解説(ご本人曰く「注釈をネタにした漫談」!)で勉強する日々です。FBはアーカイブ、過去記事の検索にはあまり向かないので、公開されている回へのリンク集を作成しました。たくさんの人に読んでいただけるといいな、と思います。アーカイブズに関する理解も深まりますし、なによりも、平野さんの楽しい、そして巧みな文章に魅了されるでしょう。

FBの連載はほぼ毎日更新されています・・・。このブログページには、たぶん毎日ではなく、数日ごとにリンクを付け加えていくことになりそうです。

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*シラバスが自習にも非常に参考になります。学習院のG-Portでは個々のシラバスへのダイレクトリンクが貼れないので、科目一覧シラバス検索をご利用ください。

**正式なタイトルの英訳はManual for the arrangement and description of archives / drawn up by direction of the Netherlands association of archivists by S. Muller, Fz., J. A. Feith and R. Fruin, Th. Az. Translation of the 2d ed. by Arthur H. Leavitt. 本文はこちらから

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◎関連文献に関するページへのリンク

『アーカイブズ学研究』第18号目次
『アーカイブズ学研究』第17号目次

Archives 101 — 図書館基礎特論「アーカイブズの基礎」

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2018年度の春学期、司書課程の授業を行っています。選択科目の図書館基礎特論です。わたしの授業のテーマは「アーカイブズの基礎」。図書館基礎特論については、これからの図書館の在り方検討協力者会議 「司書資格取得のために大学において履修すべき図書館に関する科目の在り方について」(2009年2月)の最後のページに説明があります。

司書課程での授業なので、「司書としての価値を高める(そしてそれによってパブリック=公共に寄与する)ための、アーカイブズの知識と考え方」という視点で毎回授業を行っています。アーキビストの養成やアーカイブズ学の授業というよりは、司書としてアーカイブズを利用するために知っておくとよい、とわたしが考えていることをお話しています。

アーカイブズの仕組みは、原理的にレコード・マネジメントを含むものです。この部分は、どのような職業につくにせよ、あらゆる職業に関わってきます。司書として働く場合以外でも、企業であろうと、役所であろうと文書管理、記録管理は知っておく必要があります。

当初の計画ではガイダンスの次の回(第2回目)で基礎的な話をして、以後10回にわたりさまざまな種類のアーカイブズ(公的な文書館、企業アーカイブズ、その他)、デジタル長期保存について1回、デジタル展示・キュレーションとしてのデジタルアーカイブとコミュニティアーカイブに関して1回、というシラバスにしました。

しかし実際に行ってみると、基礎的な部分は1回で終わらず、もう1回費やすことに。その次の回に小テスト(20180507)を行いました。ここまでは理解してほしい、という部分に関する内容です。(PDFの4ページ目は、アーカイブズ管理に関するセミナーなどでは言及したくなる部分ですが、これは興味があったら読んでみてね、という位置づけです。)

内容は以下のようなものです。(PDF

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2018年5月7日

図書館基礎特論「アーカイブズの基礎」復習テストと補足

1. (    )に授業で学んだ用語(カタカナ)を入れてください。

レコードとは・・・ある活動の記録された証拠(        )すべて

【出典】エリザベス・シェパード、ジェフリー・ヨー〔共著〕 森本祥子ほか〔編訳〕
『レコード・マネジメント・ハンドブック:記録管理・アーカイブズ管理のための』(2016年)21ページ

2. 授業で学んだ「アーカイブズ」の意味に含まれるものに○をつけてください

(    ) 業務遂行の過程で個人又は組織により作成・収受されて蓄積され、並びにその持続的価値ゆえに保存された文書。

(    ) アーカイブズを保存し、閲覧利用できるようにする建物又は建物の一部。アーカイブズ保存所とも呼ばれる。

(   ) 文書の出所に関わりなく、何らかの特徴(たとえば、取得方法、作成者、主題、言語、媒体、形式、収集家の名前)に基づいて集められた、文書の人工的まとまり。

(    ) アーカイブズを選別、取得、保存、提供することに責任をもつ機関又はプログラム。アーカイブズ機関、アーカイブズ制度、アーカイブズ事業とも言われる。

【出典】ICA(国際アーカイブズ評議会)オンライン多言語用語集日本語ページ http://www.ciscra.org/mat/mat/termlist/l/Japanese

3. 図書館司書、レコード・マネジャー/アーキビストがそれぞれ扱う対象について線で結んでください。

図書館司書・                                        ・レコード・               ・証拠(     )

レコード・マネジャー/アーキビスト・      ・情報プロダクト・       ・インフォメーション

【出典】『レコード・マネジメント・ハンドブック:記録管理・アーカイブズ管理のための』35, 43-45, 142, 160, 169, 179-187ページ

4. レコードの一生(ライフ)について、説明に当てはまる用語を(  )に記入してください。

「組織の現在の業務で日常的に使用されるレコードで、作成された場所で保管され続けているものである」
・・・(         )レコード

「現在の業務遂行にあたってはほとんど必要とされないので、オフィスからレコードセンターに移送し、そこで最終的な処分を待つべきとされるものである」

・・・(         )レコード

「現在の業務にはもはや必要とされないレコードである」

・・・(         )レコード

【出典】『レコード・マネジメント・ハンドブック:記録管理・アーカイブズ管理のための』27ぺージ

5. アーカイブズ機関には2種類の機関があります。(   )の中に用語を入れてください。

「組織内で作成されたものや、その組織と外部との間でやりとりされた通信といったアーカイブズ(記録資料)を保存・管理・提供する」

・・・(         )アーカイブズ

「あるテーマ・主題の下にさまざまな組織で作成されたアーカイブズ(記録資料)を収集して保存・管理・提供する」

・・・(         )アーカイブズ

【出典】企業史料協議会編『企業アーカイブズの理論と実践』(2013年)6ページ
公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター編『世界のビジネス・アーカイブズ:企業価値の源泉』(2012年)6-8ページ

6. アーカイブズの組織化・整理を考える上で最も重要や考え方について述べた文章です。これを表す用語(日本語、漢字2字)を(   )に書き入れてください。英語は下に記したものです。

「業務遂行過程で記録を作成し、管理し、利用してきた組織や個人」

・・・(         ) provenance

【出典】全国歴史資料保存利用機関連絡協議会監修『文書館用語集』(1997年)58ページ

7. レコード(そしてアーカイブズ)にとって大切な「コンテクスト」とは「記録が作成された際、それが誰によって作成されたのか、どのような組織における機能や活動のもとで作成されたのか、その記録は他の記録とはどんな関係にあるのか、といったことを意味する」ものです。

レコードとして意味を持ち、証拠として利用することができるために必要なモノ/コトをあげてください。

【参考】『レコード・マネジメント・ハンドブック:記録管理・アーカイブズ管理のための』33, 108ぺージ
アメリカ・アーキビスト協会用語集 context の項目 https://www2.archivists.org/glossary/terms/c/context
“1. The organizational, functional, and operational circumstances surrounding materials’ creation, receipt, storage, or use, and its relationship to other materials. – 2. The circumstances that a user may bring to a document that influences that user’s understanding of the document.”

8. アカウンタビリティとは「個人、組織および集団が責任を負っている行動や決定に関して、その行動や決定についての疑問に答えたり、説明したり、あるいはそれらが正当であると主張できる能力」(アメリカ・アーキビスト協会用語集日本語訳)です。通常「説明責任」とも言われますが、アーカイブズ、レコード・マネジメントの文脈では「説明責任」の前にある用語を補うことが必要です。それはなんですか。(  )の中に入る用語(漢字2字)を記してください。

・・・(         ) 説明責任

【参考】アメリカ・アーキビスト協会用語集 accountability の項目 https://www2.archivists.org/glossary/terms/a/accountability
“The ability to answer for, explain, or justify actions or decisions for which an individual, organization, or system is responsible.”

9. アーキビストの基本的な業務/職務には「移管・収集」「評価選別」「整理」「目録作成(編成・記述)」「保存(配架等)」「利活用(・公開)」といったものがあります。このうち、アーキビスト(レコード・マネジャーの場合もある)に特有で、非常に難しい業務/職務とみなされているものの一つが「評価選別」です。どのような点に注意して、この業務/職務に取り組む必要があるでしょうか。

10. レコード(そしてアーカイブズ)を保存・管理・提供する(つまりマネジメントする)目的を図中に書き込んでください。
【参考】『レコード・マネジメント・ハンドブック:記録管理・アーカイブズ管理のための』16ぺージ

齋藤歩「日本における『近現代建築資料』の特性把握:統計的仮説検定とアーカイブズ学を用いて」(2018年)

齋藤歩「日本における『近現代建築資料』の特性把握:統計的仮説検定とアーカイブズ学を用いて」をご恵送いただきました。

著者である齋藤さんの研究は、1970年代以降米国で急速に発展を遂げた建築レコードのアーカイブズ管理技法を、日本の資料に適用する場合、どのようなケースが有効か、を特定することを目指しています。そのために、日本の建築分野の資料の特性を把握する必要があるのですが、これまで行われてきた建築関連資料の所在調査(2013年度と2014年度に文化庁が日本建築学会に委託した事業)は、資料群の質的な分析にとどまり、量的な分析を欠いていると著者は述べています。この論文では、上の所在調査の結果を量的に分析して、「日本の『近現代建築資料』に関する多様性の内実を把握することを目的と」しています。これを行うことによって、著者は「日本における米国型技法の利用可能性が検討可能となる」と述べています。

同論文は『日本建築学会計画系論文集』第83巻第744号353-363、2018年2月)に収録されているものです。
DOI http://doi.org/10.3130/aija.83.353

本文はエンバーゴ期間1年です。
https://gakkai.jst.go.jp/gakkai/detail/?id=G00013

目次をご紹介します。

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キーワード「近現代建築資料」「統計的仮説検定」「アーカイブズ学」

【目次】

1.はじめに
1.1.本稿の目的と対象
1.2.本校における研究方法
1.3.先行研究の把握

2.調査の概要と「近現代建築資料概要リスト」の構成要素
2.1.調査の目的と本研究との関係
2.2.「資料概要リスト」の項目
2.3.小括:量的な分析の欠如

3.「資料概要リスト」のデータ整理
3.1.データ・クリーニング
3.2.「公文書館等」の新設と「4.所蔵種別」の再選択
3.3.小括:整理の結果

4.調査結果の集計
4.1.「4.所蔵先種別」の集計
4.2.「5.一般への公開状況」の集計
4.3.「8.クライテリア」の集計
4.4.小括:資料の仮説的特性

5.統計的手法を用いた分析
5.1.統計的仮説検定(1)「4.所蔵先種別」と「8.クライテリア」の検定
5.2.統計的仮説検定(2)「4.所蔵先種別」と「5.一般への公開状況」の検定
5.3.小括:検定から明らかになった資料特性

6.考察:特性の背景を探る
6.1.「4.所蔵先種別」の特性:「9.調査範囲」による調査の課題
6.2.「5.一般への公開状況」の特性:①②の背景
6.3.「8.クライテリア」の特性:③-⑦の背景
6.4.小括:特性のまとめ
6.4.1.資料の特性:「時の経過」を鑑みて
6.4.2.調査の特性と限界

7.おわりに:資料の特性と調査の課題

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5.3.にまとめられている資料特性は次のようなものです。(359ページ)

①「3.博物館・資料館」「4.図書館」「5.文書館等」は、「一般公開率」が高い(50%を上回る)
②「1.設計事務所」「6.行政・公的機関」「7.企業・団体」「8.個人」は、「一般公開率」が低い
③「a.設計者」は、「1.設計事務所」に顕著な特性が見られる
④「e.学術」は、「2.研究教育機関」「6.行政・公的機関」に顕著な特性が見られる
⑤「f.地域性」は、「2.研究教育機関」「3.博物館・資料館」に顕著な特性が見られる
⑥「c.時代性」は、「2.研究教育機関」に顕著な特性が見られる
⑦「d.対象物」は、「1.設計事務所」「6.行政・公的機関」に顕著な特性が見られる

こういった資料特性の背景を、著者は6.考察で探っています。6.1.では調査の課題として、市町村レベルの調査率の低さや国立公文書館等の主要なアーカイブズ機関への調査結果が現れないなどの、調査の偏りが指摘されています。

6.2.では著者は「『6.行政・公的機関』の『一般公開』の割合が高いとはいえない」と指摘するほか、何を持って「公開」とするのかが明確でないという指摘もあります。

この論文の最もユニークな着眼点は、アーカイブズにおける「時の経過」の考え方(この言葉は公文書管理法第6条、第15条、第16条にも登場する)によって、建築資料の特性

(i)多様な公開方法
(ii)地域性と文化施設(博物館・図書館・公文書館)の連関
(iii)特殊な保存年限(建築主による維持管理からの価値転換)

が変化する点を明らかにしたことです(361ページ)。その際、時の経過に従って、「現用と異なる価値を主張するには広い視野を備えた価値判断が求められるが、ここにアーキビストが専門性を発揮できるチャンスが潜んでいる」としている点もまた、今後さらに考察を深めていただきたい点です。

最初にこの論文を読んだとき、本論文は、米国で開発された建築レコードのアーカイブズ管理技法の普遍性検証研究の一部であり、もっぱらアカデミックな論文として読むべきものだろう、と理解しました。しかし、統計的仮説検定を受けての考察の部分をよく読んでみると、建築資料所在調査の方法論への提言、建築資料の評価選別におけるアーキビストの役割の指摘など、日本における建築アーカイブズに関わる実務にも非常に示唆的な論考、という風に私の見方は変わったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神山復生病院 復生記念館

一般財団法人神山復生会 神山復生病院 復生記念館を訪問しました(2017年9月19日)。

場所は静岡県御殿場市。わたしはその日のお昼ちょっと前に同県湖西市にある豊田佐吉記念館を出発し東名高速を御殿場方面に向かい、途中昼食休憩をはさんで午後2時半ごろに到着、学芸員の森下裕子さんに館内を案内していただきました。

神山復生病院は1889年(明治22年)にパリ外国宣教会のジェルマン・レジェ・テストウィド神父によって現在の地に開設されたハンセン病療養施設です。現在記念館になっているのは1897年(明治30年)に司祭館として建設された建物。

いただいた「神山復生病院のあゆみ」(年表)によると、同病院は1901年に財団法人神山復生病院となり、パリ外国宣教会の司祭、岩下壮一神父、千葉大樹神父、クリスト・ロア宣教修道女会のシスター方が運営に携わり、2000年にハンセン病療養所から一般の病院に転換、2012年に一般財団法人神山復生会となり今日に至っています。

ハンセン病療養施設から一般の病院に転換した翌年(2001年)旧病棟を解体し、2002年に聖堂と新病棟を竣工・開院するとともに、2004年には旧司祭館を転用して復生記念館が開設されました。

この度訪問した記念館は、昨年(2016年)11月に創建時の姿に復元してリニューアルオープンした施設です。リニューアルオープン後の記念館については、ハンセン病制圧活動サイト写真入りの詳しい紹介記事を掲載していますのでそちらをご覧ください。

創建時の姿に復元してのリニューアルオープンに当たっては、建築の特徴がよりよく示されるように、それ以前よりは展示品を少なくしたというお話でした。

復生記念館の運営に関しては、クリスト・ロア宣教修道女会のシスター秋本が、現在館長を務めておられます。学芸員の森下さんは2004年(平成16年)に資料データベース化の仕事のために神山復生会で働くことになり、以来、資料整理のみならず、展示、復元プロジェクト等を担当し、現在は記念館に関わる実務を一人で担当しておられるということです。記念館横に立つ記念館別館の一部が収蔵庫になっており、そこで資料を管理しています。(資料に関しては、復生記念館に直接お問い合わせください。電話0550-87-3509、朝9時から受付)。復生記念館の仕事では、見学案内や展示、資料整理、資料研究など狭義の学芸員の仕事のほか、病院関係者や現在も病院内で生活を続ける5名のハンセン病元患者の方々、シスター方といったさまざまな関係者とのコミュニケーションがとても重要であると強く感じました。

いただいた名刺の裏には神山復生会病院の理念が記されていました。

《理念》
神山復生病院は
キリストの愛に基づいて
病める人も健やかな人も
神によって創られた人間として
喜びも苦しみも共にしながら
一人ひとりの命を大切にし
希望をもって医療と福祉に献身します

 

復生記念館は、日本ではじめてハンセン病療養施設として開設された、神山復生病院を中心とするコミュニティの記録と記憶を未来に伝える場所です。キリストの愛に基づいた医療・福祉の歩みを、広く社会に伝える場として発展していってほしいと願います。

 

《関連ページ》

一般財団法人神山復生会 神山復生病院 復生記念館のページ
http://www.fukusei.jp/memorialhall/

ハンセン病制圧活動サイト 神山復生病院のあゆみ・復生記念館の展示を通してみる
http://leprosy.jp/people/plus07/

ハンセン病制圧活動サイト 神山復生病院・復生記念館
http://leprosy.jp/japan/sanatoriums/sanatorium06/

「近現代アーカイブズにおける秘密情報保護と公開促進の両立に向けた研究」ニューオーリンズでのインタビューまとめ

創価大学創価教育研究所講師坂口貴弘さんの「近現代アーカイブズにおける秘密情報保護と公開促進の両立に向けた研究」の2016年度の調査(2017年2月実施)に立教大学共生社会研究センター・アーキビストの平野泉さんとともに協力しました。その概要は2017年5月12日開催の第76回デジタルアーカイブサロン「アーカイブズにおける秘密保護と公開の問題について」でお話いたしました。私の担当は2月20~21日に訪問した米国ニューオーリンズ市内のカトリック系宗教アーカイブズ施設その他です。

JSPS 科研費 JP15K00467 https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15K00467/

デジタルアーカイブサロン当日の配布資料改訂版の掲載に続き、インタビュー内容のまとめを掲載します。

(PDF)「近現代アーカイブズにおける秘密情報保護と公開促進の両立に向けた研究」ニューオーリンズでのインタビューまとめ

このまとめの基になったメモは、調査が終了して帰国直後の2月27日に平野泉さんが作成されました。私の手元のメモと付き合わせてみましたが、よくぞここまで、というほどに聞き取り内容が細かく記載されています(調査全体を通じて通訳はなし)。その平野さん作成メモのニューオーリンズ調査分に、必要な情報や説明を加え、ここでは不必要な部分は削除し、整理し直したものが今回アップロードした資料です。本資料の文責は松崎にあります。

Interviews-in-New-Orleans

 

第76回デジタルアーカイブサロン「アーカイブズにおける秘密保護と公開の問題について:カトリック系宗教アーカイブズを中心に」(配布資料改訂版)

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5月12日に開催された第76回デジタルアーカイブサロン「アーカイブズにおける秘密保護と公開の問題について」のうち、私が担当した部分「カトリック系宗教アーカイブズを中心に」に関する配布資料の改定版を作成しました。

配布資料「カトリック系宗教アーカイブズを中心に」改訂版
https://archiveskoubou.files.wordpress.com/2017/05/catholic-archives-institutions-in-new-orleans2.pdf

今回の発表は創価大学創価教育研究所坂口貴弘講師の科研費の助成を受けた研究「近現代アーカイブズにおける秘密情報保護と公開促進の両立に向けた研究」成果の一部です。

JSPS科研費 JP15K00467  https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15K00467/

立教大学共生社会研究センターアーキビストの平野泉さんとともに、坂口さんの米国のアーカイブズ機関に関する調査に協力しました。

当日の配布資料の一部訂正(年号と人名)、紹介された文献に2件追加を行いました。見やすさを考えてレイアウトも若干変更しました。

配布資料「カトリック系宗教アーカイブズを中心に」改訂版

第76回デジタルアーカイブサロンのフェイスブックページ
https://www.facebook.com/events/1944392125837385/

大仙市アーカイブズ開館記念行事(2017.5.3) 参加記

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5月3日(2017 年)、秋田県大仙市で開催された大仙市アーカイブズ開館記念行事に参加いたしました。当日記念講演に登壇された全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)の定兼学会長から参加記執筆の依頼を受けました。同協議会サイトに本日掲載されたとの連絡をいただきました。ご笑覧いただければ幸いです。

http://jsai.jp/ibbs/b20170510.pdf.pdf

全史料協サイト・トップページはこちら
http://www.jsai.jp/

大仙市アーカイブズのページ
http://www.city.daisen.akita.jp/docs/2014040200045/

 

当日撮影した画像をいくつか掲載いたします。

一橋大学に大学文書館(アーカイブズ)を

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以下の記事は、一般社団法人如水会発行『如水会々報』2017年3月号より、同会の許諾を得て転載するものです。


一橋大学に大学文書館(アーカイブズ)を

松崎裕子 (63社)

『如水会々報』2016年11月号「ラウンジ」欄に掲載された大久保秀典様の「貴重資料の宝庫・学園史資料室の有効活用を!」を拝読させていただいた。筆者は2004年から公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターで企業アーカイブズの振興に取り組むとともに、株式会社アーカイブズ工房代表取締役として企業史料の整理・活用の実務・コンサルティング・教育研修業務にも携わっている。日頃より一橋大学における歴史的に価値ある文書の保存・管理・公開状況が、他大学から大きく遅れている状況を憂慮してきたため、大久保様のご提案にいたく心を動かされた。この小文では、他大学における歴史的な文書や資料の保存、管理、公開の現況について、企業アーカイブズの状況を交えながら、ご紹介させていただく。

さて、アーカイブズとは何か。それは組織が作成したり、組織外から収受した文書記録のうち、歴史的に重要で長期に保存する必要があるものを管理・提供する部署や施設であり、文書館とも称する。歴史的に重要な資料自体もアーカイブズと呼ばれる。私が専門とする企業アーカイブズの場合、企業活動を通じて会社が作成するさまざまな記録・資料それ自体と、これらを保存、管理、提供・活用する部署を指す。企業のアーカイブズは、今日までの事業の証拠(エビデンス)としてアカウンタビリティを支え、それによって会社への信頼を高める。さらに、企業文化を伝えるメディアとしての役割を果たし、企業活動に永続性を与える。激しい環境変化にさらされる今日、企業がサステナブル(持続可能)であり続けるために、アーカイブズはますます必要なものと認識されつつある。

日本では、明治以来、図書館、博物館の制度は社会に根付いたが、アーカイブズ(文書館)の発達は遅れた。国のレベルでは英国で1838年に、米国では1934年に国立公文書館が設置された。日本の国立公文書館の場合、1971年に開館したものの、公文書管理について定めた法令(公文書等の管理に関する法律)が初めて制定されたのは2009年、ごく最近のことである。この法律の制定によって、国の行政機関と独立行政法人等(国立大学法人を含む)では、業務の過程で作成・収受した公文書(正確には国の行政機関の場合は「行政文書」、独立行政法人や国立大学法人などの場合は「法人文書」)を適切に管理し、歴史的に価値ある文書に関しては国立公文書館に移管し、永久保存し、一般の国民に提供することが定められた。国立大学法人もこの法律に従う必要が生じた。

この法律では、歴史的に価値ある文書を国立公文書館に移管せず、各大学の中に「国立公文書館に類する機能を有するものとして、公文書管理法に基づき定められた施設」において管理するオプションも用意された。旧帝国大学をはじめ、一橋大学と縁の深い、東京外国語大学や東京工業大学はこちらを選択し、自分たちが作成・収受した文書記録を自校内で、法律に定められた適切な施設において、また多くの場合、文書管理についての専門的教育を受けたアーキビストを配置して、管理している。国立公文書館のウェブサイトによれば、2016年11月6日現在、こちらのオプションを選択した機関は次の通りである。

宮内庁宮内公文書館
外務省外交史料館
日本銀行金融研究所アーカイブ
東北大学学術資源研究公開センター 史料館公文書室
東京大学文書館
東京外国語大学文書館
東京工業大学博物館資史料館部門公文書室
名古屋大学大学文書資料室
京都大学大学文書館
大阪大学アーカイブズ
神戸大学附属図書館大学文書史料室
広島大学文書館
九州大学大学文書館

(注─旧帝国大学のうち、北海道大学は現在内閣府に指定申請中)

これらのアーカイブズでは、総務課をはじめとする事務組織から文書の移管を受けてこれを管理・公開するほか、大学史上重要な役割を果たした過去の学長や著名な研究者等に関する資料も寄贈・寄託を受けて管理・公開している。

一橋大学の場合、残念なことにアーカイブズの整備が大幅に遅れている。国民の求めに応じて公文書を開示するにあたっては、情報公開法で対応している。情報公開という趣旨では問題はないものの、歴史的に価値をもつ文書の長期保存と公開・利用のためには、本来であればアーカイブズ(文書館)に移管して管理・公開するのがよりよいモデルである。実はすでに小平の旧図書館はリモデルされて大学文書館に即対応できるよう整備済みである。にもかかわらず、現在のところ内閣府からの「国立公文書館に類する機能を有するものとして、公文書管理法に基づき定められた施設」の指定に向けた動きはまったくなされていないようである。

また、国立大学に限らず、私立大学・公立大学を含めた大学における大学史の編纂と資料保存に関する情報交換や交流の場として、1980年代から、全国大学史資料協議会が活動している。先に上げた国立大学のほか、早稲田、慶應義塾、上智、明治、法政、立教、学習院、青山学院、立命館、同志社をはじめ、全国で60以上の大学が加盟している。残念ながら、一橋大学はここにも未加盟である。

企業アーカイブズに目を向けてみると、フォーチュン500に登場するような欧米の企業にはアーカイブズ部署が設置され、過去の文書記録や情報を確実に保管・管理・提供し、アカウンタビリティと企業文化継承・ブランディングのための情報基盤としている会社が数多くある。筆者が業務上頻繁に交流している企業アーカイブズには、イングランド銀行、HSBC(香港上海銀行)、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、ロスチャイルド(以上英国)、コカ・コーラ社、マッキンゼー社、IBM社(以上米国)、ホフマン・ラ・ロシュ社(スイス)、マースク社(デンマーク)、ゴードレージ社(インド)などがある。

日本のビジネス界では、1981年に当時の経団連の花村仁八郎副会長・事務総長が音頭を取り、企業史料協議会が結成された。現在の会長は歌田勝弘元味の素会長である。会員企業は社内における過去の歴史的な文書資料やモノ資料の保存、整理、活用に熱心に取り組んでいる。同協議会にはトヨタ自動車をはじめとする、各業界を代表する企業のアーカイブズが加わっている。

さらに近年は、社史編纂のために収集した資料を基に、アーカイブズを整備し、社員教育やブランディング、あるいは企業ミュージアムに役立てるほか、グローバリゼーションに伴い、ガバナンス強化や情報開示を進めていく基盤にしようという動きも活発化している。

グローバル化は一方でデジタル化を伴っている。諸外国の企業・大学は、自分たちの過去の歴史に関する情報、場合によっては歴史資料自体をインターネットで世界に提供し、組織の広報・マーケティング・情報開示のツールとしている。大学も世界中から優秀な学生を集めるために、自分たちの過去のヘリテージを活用している。日本国内の例であるが、2016年度に内閣府から前記の指定を受けた東京外国語大学文書館のアーキビストによると、同大における文書館設置は「大学の広報機能の強化のため」と明確に位置付けられているという。そのため展示やフェイスブックなどを通じて積極的に大学の歴史情報を発信している。

大学も淘汰の時代に入っている。過去において輝かしい栄光と持つ組織といえども、永遠に盤石ではありえない。大学という存在もゴーイングコンサーンであり続ける意志を明確にする必要がある。企業の第一線の方々の目にはなかなか触れない分野であるが、アーカイブズの視点から眺めてみると、一橋大学の学園史資料関係のリソース(歴史的に価値ある法人文書、歴史資料等)の保存・管理・活用は、変化の激しい今日の環境の中で生き残っていくための情報基盤としては、まことに心もとない状況であると言わざるを得ない。

(日本アーカイブズ学会登録アーキビスト、(株)アーカイブズ工房代表取締役)

*国立公文書館に類する施設
http://www.archives.go.jp/links/#Sec_01

*全国大学史資料協議会
http://www.universityarchives.jp/membership.html

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(補記)

上の記事の公開後、北海道大学大学大学文書館公文書室筑波大学アーカイブズが内閣府からの指定を受けました。

 

『レコード・マネジメント・ハンドブック : 記録管理・アーカイブズ管理のための』紹介・書評

 

出版後間もなくご紹介いただいた方々ありがとうございました。その後2016年度末に少なくとも3本の書評が公刊されました。いずれも丁寧にお読みいただいたことが伝わってくるもので本当にありがたく感じています。ある程度長い分量の書評記事では、批判や問題提起といったものも提示されて、今後この分野での研究や執筆を進めて行くうえで、たいへん参考になるものと思われます。以下箇条書きですが、いくつかメモしておきます。

・オリジナルの英語原文と対象しながら読んでくださった富永さんからは、本書は「標準的教科書というよりは議論の書」であり、オリジナル版も翻訳版もよみずらい。その理由は標準的な考え方と原著者独自の考え方を弁別しながら読まねばならない点がひとつ。もうひとつは原著者の実務経験を反映した「詳細なガイダンスと、より抽象度の高い議論とが本文中に混然一体となっている点」(富永、80ページ)

・実務の「ハンドブック」であるならば、やはり原語をカタカナ表記した用語に置き換えるのではなく、日本の現場で用いられている、「自分たちが使用している用語への『再翻訳』表現が必要」(秋山、69ページ)

・本書では「現秩序を保持するという原則」は紙の世界のレコードに関するものという立場だが、コンテクストを把握するうえでこの原則は重要であり、レコード形式の如何を問わないのではないか。「最終的には個別に判断することになる」のではないか。(渡邊、89ページ)

・「証拠的価値」を「情報的価値」「情報提供用ドキュメント」(本書中の「情報プロダクト」に相当)よりも「優先することを強調し過ぎることに若干のリスクを感じる」(渡邊、90ページ)

・日本のアーカイブズ学におけるappraisalあるいは「評価選別」の今後(渡邊、90ページ)

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◎富永一也 『記録と史料』(27):2017.3
http://www.jsai.jp/kanko/kaisi/kaisi27.html

◎秋山淳子 『レコード・マネジメント』(72):2017.3
https://www.jstage.jst.go.jp/…/72/0/72_68/_article/-char/ja/

◎渡邊健 『GCAS report = 学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻研究年報』(6):2017.2

◎山田敏史 専門図書館協議会『専門図書館』 (281):2017.1 http://www.jsla.or.jp/publication/bulletin/no281/

◎藤吉圭二 『アーカイブズ学研究 』日本アーカイブズ学会, (25):2016.12
https://ndlopac.ndl.go.jp/F/?func=full-set-set&set_number=188163&set_entry=000001&format=999

◎中島康比古 『情報の科学と技術』情報科学技術協会, (66):2016.11
https://www.jstage.jst.go.jp/…/66/11/66_…/_article/-char/ja/ http://doi.org/10.18919/jkg.66.11_601

◎石井昭紀 『情報管理』科学技術振興機構, Vol. 59 (2016) No. 7 p. 498
https://www.jstage.jst.go.jp/…/…/7/59_498/_article/-char/ja/ http://doi.org/10.1241/johokanri.59.498

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『レコード・マネジメント・ハンドブック : 記録管理・アーカイブズ管理のための』 エリザベス・シェパード、ジェフリー・ヨー共著 【編・訳】森本祥子、平野泉、松崎裕子 【訳】清原和之、齋藤柳子、坂口貴弘、清水善仁、白川栄美、渡辺悦子

http://www.nichigai.co.jp/cgi-bin/nga_search.cgi?KIND=BOOK&ID=A2611

経営支援セミナーに参加

きょうのセミナーは、お世話になっている会計士の先生の事務所(税理士法人C&C)主催。事務所とは3年半ぐらいのお付き合い。いろいろセミナーなど行っているようです。今回初めてどうですか、と声をかけられました。。

で、前半は(「フィンテック及び証憑ストレージサービス等の特長」)、

・平成28年の改正電子帳簿保存法による国税関係帳簿書類のスキャナ保存制度
・クラウド会計(銀行信販データの自動受信システムによる仕訳の二重計上防止や記帳、正確な帳簿の作成などの経理事務省力化)

会計にかかわる文書管理の一部と関係があります。記録管理的にとても面白かったですね。

ちなみに講師は(株)TKCの方々で、ここの証憑ストレージサービスはJIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)の平成28年改正法令基準電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証の第1号認証を受けているということでした。

後半は、静岡県富士市産業支援センターf-Bizセンター長の小出宗昭さんの講演(「中小企業の事業革新(イノベーション)」)
http://www.f-biz.jp/

講演では富士市立産業支援センターがどこにあるのか、というお話はでてきませんでしたが、ウェブをみてみると、富士市立中央図書館分館1階にあります。サイトによると「富士市立中央図書館と連携し、相談内容に応じた資料や専門書を紹介」しているようです。

お話では公的産業支援はどうあるべきか?というところから始まりました。講師の考えでは

「公的産業支援とは公による「ビジネスコンサルティング業」であるべき」

であり、わかりやすい結果を出す、ことが目的といいます。

いまはモノが売れない時代で、とにかく売り上げが伸びない。

売り上げの流れを変える3つの戦略、として
(1)真のセールスポイントを活かす
(2)ターゲットをしぼる
(3)連携する、つながる、コラボレーションする
があげられました。

そのあとは事例です。

(株)司技研
丸金製紙(株)
マルミヤ食品(株)
(株)高年社60
金沢豆腐店
かわむら呉服店
ハヤブサ((有)スノーチャイルド)

廃業寸前→コンサル→結果

というのがはっきりしています。

アーカイブズに活かせるものはあるかしら・・・?

と思いつつ帰ってきました。